フレデリック、変革を遂げた2015年の
ワンマンライブツアーがついに終幕
12月22日(火)、フレデリックのワンマンライブツアー「フレデリズムツアー2015」のファイナル公演が、恵比寿LIQUIDROOMで開催された。
11月25日にリリースされたミニアルバム『OTOTUNE』の発売を挟む形で行なわれた今回のツアーは、全国10箇所の公演はすべてソールドアウト。オリジナルメンバーであるドラマーの脱退後初めてのワンマンツアーでもあったわけだが、昨年末の「オドループ」のブレイクから始まったこの1年の集大成にして、フレデリックが向かう次の未来への決意宣言とも取れるような、音楽的にも人間的にも大きく成長したバンドの姿を堂々と示す素晴らしいライブとなった。
初期の代表曲「SPAM生活」から幕を開けたライブは、序盤からすでに幸福な熱狂に包まれながら展開していくものとなった。最大のキラーチューン=“オドループ"を頭3曲目という早い位置に持ってきたのは彼らの自信の表れであると同時に攻めの姿勢を表すものだったが、実際に「オドループ」で1回目のクライマックスを描いた後、音楽的にはよりディープなゾーンに突入したにもかかわらず、むしろ鮮やかに“オドループ"でのフロアの熱狂を塗り替えていったのが印象的だった。「WARP」や「FOR YOU UFO」など、初期の頃からフレデリックの核にある横揺れのバックビートを発動しながら、陶酔的かつ中毒的な世界観にオーディエンスをぐんぐん引き込んでいく。70〜80Sのディスコミュージックをたっぷり吸い込んだ「真っ赤なCAR」では三原健司(Vo&G.)がハンドマイクでユラユラと踊りながら歌い、今後の新機軸を予感させるシーンも。キレも粘りも格段にビルドアップされた(「ノセる」のではなく)「踊らせる」グルーヴが心地よくフロアを揺らし、以前に増して強い表現力と訴求力を発揮するようになった健司の歌がしっかりとオーディエンスの心を掴んでいく様がはっきりと感じられた。
中盤に披露された「うわさのケムリの女の子」では、ステージはもちろん、フロアの四方に設置されたスモークマシンから大量のスモーク=ケムリが放出され、ライヴハウス全体が煙に巻かれる一幕もあった。曲が終わってもしばらくは周りが見えないほどの大量のスモーク攻撃にオーディエンスからは笑いと歓声も上がっていたが、みんなで一体感を感じるライブの楽しさはもちろん、バンドから放たれる音世界にひとりずっぽりと浸る醍醐味も味わうことができるような演出だったと思う。
終盤の「幸せっていう怪物」では、『あなたと一緒にライブを作りたかったんだ』というMCとともに、ステージもフロアも一体となって“フレデリズム”を響かせ、解放的な熱狂をもって沸点を更新していった。その場で募った何人かのオーディエンスをステージに上げ、その場にいる全員でひとつのリズム、大きなグルーヴ、そして温かで親密な世界を創り出し、幸福感と共に分かち合っていく光景は、まさにフレデリックがめざすひとつのテーマでもある。この日も『家族のようなバンドになりたい』、『ワンマンというホームに来てくれたみんなはもう家族やと思ってるから』と繰り返し言っていたが、そんなフレデリックらしい温かなヴァイブスが確かにリキッドルームを満たしていた。
アンコールでは最新作『OTOTUNE』に収録された「ハローグッバイ」を熱演。MCで『たくさんのハローもグッバイも経験してきた俺らが、未来に向けて歌う曲』と告げていたが、パッションが溢れ出す熱い演奏と駆け抜けるリズムに乗せて<戦わない戦い方を僕たちはしっているはずなんです> <涙を拭き取る常識を僕たちは歌い続ける>という強いメッセージを響かせる「ハローグッバイ」は、まさに今後のフレデリックの代表曲になるだろうという確信を抱かせる、楽しさだけではない胸にどすんと突き刺さる強さと輝きを放っていた。状況的にもバンド自身にとっても大きな変化が訪れた2015年という1年で得てきたものを血肉化し、来年以降さらなる飛躍を予感させる確かな手応えを感じさせた、充実のツアーファイナルだった。
初期の代表曲「SPAM生活」から幕を開けたライブは、序盤からすでに幸福な熱狂に包まれながら展開していくものとなった。最大のキラーチューン=“オドループ"を頭3曲目という早い位置に持ってきたのは彼らの自信の表れであると同時に攻めの姿勢を表すものだったが、実際に「オドループ」で1回目のクライマックスを描いた後、音楽的にはよりディープなゾーンに突入したにもかかわらず、むしろ鮮やかに“オドループ"でのフロアの熱狂を塗り替えていったのが印象的だった。「WARP」や「FOR YOU UFO」など、初期の頃からフレデリックの核にある横揺れのバックビートを発動しながら、陶酔的かつ中毒的な世界観にオーディエンスをぐんぐん引き込んでいく。70〜80Sのディスコミュージックをたっぷり吸い込んだ「真っ赤なCAR」では三原健司(Vo&G.)がハンドマイクでユラユラと踊りながら歌い、今後の新機軸を予感させるシーンも。キレも粘りも格段にビルドアップされた(「ノセる」のではなく)「踊らせる」グルーヴが心地よくフロアを揺らし、以前に増して強い表現力と訴求力を発揮するようになった健司の歌がしっかりとオーディエンスの心を掴んでいく様がはっきりと感じられた。
中盤に披露された「うわさのケムリの女の子」では、ステージはもちろん、フロアの四方に設置されたスモークマシンから大量のスモーク=ケムリが放出され、ライヴハウス全体が煙に巻かれる一幕もあった。曲が終わってもしばらくは周りが見えないほどの大量のスモーク攻撃にオーディエンスからは笑いと歓声も上がっていたが、みんなで一体感を感じるライブの楽しさはもちろん、バンドから放たれる音世界にひとりずっぽりと浸る醍醐味も味わうことができるような演出だったと思う。
終盤の「幸せっていう怪物」では、『あなたと一緒にライブを作りたかったんだ』というMCとともに、ステージもフロアも一体となって“フレデリズム”を響かせ、解放的な熱狂をもって沸点を更新していった。その場で募った何人かのオーディエンスをステージに上げ、その場にいる全員でひとつのリズム、大きなグルーヴ、そして温かで親密な世界を創り出し、幸福感と共に分かち合っていく光景は、まさにフレデリックがめざすひとつのテーマでもある。この日も『家族のようなバンドになりたい』、『ワンマンというホームに来てくれたみんなはもう家族やと思ってるから』と繰り返し言っていたが、そんなフレデリックらしい温かなヴァイブスが確かにリキッドルームを満たしていた。
アンコールでは最新作『OTOTUNE』に収録された「ハローグッバイ」を熱演。MCで『たくさんのハローもグッバイも経験してきた俺らが、未来に向けて歌う曲』と告げていたが、パッションが溢れ出す熱い演奏と駆け抜けるリズムに乗せて<戦わない戦い方を僕たちはしっているはずなんです> <涙を拭き取る常識を僕たちは歌い続ける>という強いメッセージを響かせる「ハローグッバイ」は、まさに今後のフレデリックの代表曲になるだろうという確信を抱かせる、楽しさだけではない胸にどすんと突き刺さる強さと輝きを放っていた。状況的にもバンド自身にとっても大きな変化が訪れた2015年という1年で得てきたものを血肉化し、来年以降さらなる飛躍を予感させる確かな手応えを感じさせた、充実のツアーファイナルだった。
「ハローグッバイ」MV
『スペースシャワー列伝15周年記念公演
JAPAN TOUR 2016』
2月18日(木) 福岡県 DRUM Be-1
2月19日(金) 広島県 広島CLUB QUATTRO
2月21日(日) 香川県 高松MONSTER
2月25日(木) 北海道 cube garden
2月27日(土) 宮城県 仙台MACANA
2月28日(日) 新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
3月02日(水) 愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
3月03日(木) 大阪府 BIGCAT
3月06日(日) 東京都 赤坂BLITZ
<出演者>
フレデリック / 夜の本気ダンス / My Hair is Bad / 雨のパレード
2月19日(金) 広島県 広島CLUB QUATTRO
2月21日(日) 香川県 高松MONSTER
2月25日(木) 北海道 cube garden
2月27日(土) 宮城県 仙台MACANA
2月28日(日) 新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
3月02日(水) 愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
3月03日(木) 大阪府 BIGCAT
3月06日(日) 東京都 赤坂BLITZ
<出演者>
フレデリック / 夜の本気ダンス / My Hair is Bad / 雨のパレード