【水曜日のカンパネラ】『日本武道館
公演~八角宇宙~』2017年3月8日 at
日本武道館

撮影:横山マサト、八木 咲/取材:田山雄士

 水カン初の日本武道館ワンマン到達!みたいな感慨深さは正直そこまでなく、むしろ大舞台や天井の高い会場を好むコムアイ(主演&歌唱)がこの特殊空間でどんなライヴをやるのか?…それが楽しみだった。とはいえ、360度見渡せる八角宇宙ステージ。そして、足場にカラフルなグラフィックが投影された「シャクシャイン」で彼女がラップにダンスに躍動する姿には、早くも身震いしてしまいました。“今感じてることを全部出すのだけはできるので、いっぱい持って帰ってください!”と語ったあとは、レーザーにスモーク、ジョーゼット、ダンサーなどをチーム力で駆使しつつ、「ディアブロ」「アラジン」「桃太郎」も序盤で惜しみなく披露。「アマノウズメ」では手持ちミラーボール×観客のスマホライトで美しい光のアートを演出してみせた。何か不思議な儀式のような、ポップで前衛的なパフォーマンスが続く。《最高 the Night》《いい湯だね》《フーッ♪》の合いの手なんて武道館だと一層シュールだけど、《魂の16連射》のシャウトや《俺が皇帝だ》とクールに言い放つコムアイの立ち居振る舞い! 結局いつも以上に感動し、楽しんでいる自分がいた。

 客席を走り回るアクションはなかった。バブルボールもなし。舞台中央をフルに使う武道館に相応しいエンターテイメントを、水カンは丹念に観せてくれたのだと思う。白&黒装束のパフォーマーがステージに入り乱れた「ユタ」、コムアイの宙吊り、カレーメシくんのアシストといった原始的なパワーも特筆したい。今までにない価値観の提示をこの日もしっかりと更新し、水カンの3人は次へ向かう。

セットリスト

  1. 猪八戒
  2. シャクシャイン
  3. ディアブロ
  4. 雪男イエティ
  5. アラジン
  6. 桃太郎
  7. アマノウズメ
  8. ライト兄弟
  9. ツイッギー
  10. ウランちゃん
  11. バク
  12. ユタ
  13. ネロ
  14. ユニコ
  15. カメハメハ大王
  16. ツチノコ
  17. マッチ売りの少女
  18. ナポレオン
  19. ミツコ
  20. 坂本龍馬
  21. 世阿弥
  22. ラー
  23. 一休さん
  24. <ENCORE>
  25. ドラキュラ
水曜日のカンパネラ プロフィール

主演・歌唱を担当するコムアイを中心とした、J-POPユニット。12年夏、初のデモ音源となる「オズ」「空海」をYouTubeに配信し、活動を開始。“水曜日のカンパネラ”の語源は、水曜日に打合せが多かったからという理由など、さまざまな説がある。13年3月、マネージャー兼ディレクターであるDir.Fの指令でライヴ活動を開始。同年5月に『クロールと逆上がり』、10月に『羅生門』と立て続けにミニ・アルバムを発表。トラック・メイカーであるケンモチヒデフミによる本格エレクトロ・サウンドとコムアイのキュートな脱力ヴォーカルやシュールなラップが中毒性を生み、熱狂的なファンが増える中、ワンマン・ライヴで鹿の解体を行うなどの不可解な活動でも話題を集める。14年11月、カバー・ミニ・アルバム『安眠豆腐』とミニ・アルバム『私を鬼ヶ島に連れてって』を同時リリース。15年4月、1stEP『トライアスロン』を全国流通盤としてリリース。同年6月より、初のワンマン・ツアーとなる『トライアツロン』を開催。水曜日のカンパネラ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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