ジェニファー・ウォーンズの圧倒的な歌唱力と緻密なプロデュースワークから生み出された名作『ジェニファー・ウォーンズ』
ジェニファー・ウォーンズは、映画のテーマ曲「愛と青春の旅だち(原題:Up Where We Belong)」(ジョー・コッカーとのデュエット、82年)や『ダーティー・ダンシング』の「タイム・オブ・マイ・ライフ」(ビル・メドレーとのデュエット、87年)で日本でもよく知られているが、どちらもデュエット作のせいか、彼女の芸術的歌唱力が十分に発揮されているとは言えない。しかし、今回取り上げる彼女の4枚目のアルバム『ジェニファー・ウォーンズ』(’77)には、その魅力が十二分に詰まっている。楽曲の良さ、アレンジ、歌の表現力、ハイレベルの歌唱力など、どこを取っても文句なしの仕上がりだ。本作はAORに分類されることが多いが、ジャンルに関係なく洋楽が好きな人なら誰もが納得できる名盤に仕上がっている。