Black Thought

生音（だけではないけど）のヒップホップ・グループ、ザ・ルーツのリード・ラッパーであるブラック・ソート（05年現在では唯一のラッパーになってしまっている）。しゃがれ気味な声のシブさと、リズムに沿った正統派ライミングで高い人気を獲得している。
そんな彼がソロとして、シングル「ハードウェア」（00年）を発表。ここでは、ザ・ルーツのようにジャズ・フレイヴァ溢れるスタイリッシュなサウンドを聴くことはできない。重々しいピアノと淡々と鳴り続けるパーカッションが闇夜の森のなかをさまよっているかのような不安感を誘う。そういう風情だ。さらに迫り来る骨太ビートがそれに追い討ちをかけてもいる。しかし、意外にも彼のラップとの違和感はなく、むしろ絶妙な相性をみせている。
出る出るとはいうものの、まったく出る気配を見せないブラック・ソートのソロ・アルバム。もう我慢の限界も近いぞ。