【インタビュー】山﨑彩音、内から外に心のベクトルを変化させたポップアルバム『METROPOLIS』
シンガーソングライター山﨑彩音が、2018年7月25日にメジャー1stアルバム『METROPOLIS』をリリースする。15歳でライヴ活動を始めた神奈川県藤沢市出身の少女は、<FUJI ROCK FESTIVAL 2016>をはじめとする大舞台や、有名アーティストたちと同じステージに立ち、アコースティック・ギター1本で歌い続けてきた。そして、10代最後となる今年、長い制作期間を経て完成させた1stフル・アルバムは、バンド・サウンドによる10曲を収録した作品となった。多くの人の耳に届くであろう、この素晴らしいポップス・アルバムで、これまで内省的で独白するように紡いできた彼女の歌は、大きく変化を遂げている。果たしてこのアルバムはどのようにして生まれたのか? 日々変わりゆくティーンエイジャーの現在に迫った。
■意外と高くて女の子っぽい声をしているので
■それを全面に出してかわいく歌いました(笑)
――『METROPOLIS』は、2017年4月リリースのミニ・アルバム『キキ』以来の作品で、メジャーデビュー・アルバムとなるわけですけど、2018年に入ってからずっと制作に専念していたそうですね。
山﨑:そうなんですよ。ライヴを一切せずに。これだけ制作に時間をかけられるというのも恵まれてると思うんですけど、結構ギリギリのところまで行ったというか、気が狂いました(笑)。最近はハッピーなんですけど、精神的にヤバかったです。制作ってやっぱり忍耐力だなって思いました。
――精神的にヤバかったというのは?アルバム1枚を作るプレッシャーがあった?
山﨑:たぶん、プレッシャーもあったし、これまで一人でやっていたのが、バンドで色んな人とやるようになったりしたということもあって。そういうことで、一時期ニキビがすごくて。「全然ニキビが消えない!」みたいな(笑)。
――身体に表れるほどのプレッシャーだったんですね(笑)。それは今までの弾き語りの活動中にはなかったこと?
山﨑:はい、できてもニキビ一個くらい(笑)。
――高校時代の活動では、学校がない日は全部ライヴ、みたいにハードなときもあったそうですが、その時期はどんな気持ちで活動していたんですか。
山﨑:結構前向きでしたよ。一つ一つのライヴにちゃんと集中するっていう気持ちで、一生懸命やっていた感じです。だから、今思うとよく頑張っていたなって思います。次の日に普通に学校があるときも、0時過ぎに帰ってきて朝起きて学校に行って。今思うと偉いなって(笑)。
――卒業してから約一年が経って、メジャーデビュー・アルバムの制作に入ったわけですけど、振り返るとどんな一年でした?
山﨑:もう、学生時代が思い出せないくらい、結構変化が大きくて。余計なものがなくなったというか。今は本当にやりたいことだけをやっているので、それはそれで楽しいし、その反面楽しいだけじゃないこともわかった一年でした。
――やりたいことをやってきた結果、ものすごく良いアルバムができましたよね。ビックリしました。
山﨑:ああ~嬉しいです。ありがとうございます。
――今の話を聞くと、これだけの作品を作り上げるには相当生みの苦しみがあったのかなと。
山﨑:これだけの曲数でアルバムを作ることも、バンドと一緒に作ることも初めてのことだったので。それと今回は曲やアートワークも、自分がやりたいこと、理想をちょっとでも実現できるようにしようという気持ちがあったんです。
――曲はアルバムを念頭において作ったものばかりなんですか。
山﨑:バンドでライヴをやっていたときに作った曲もあります。「ロング・グッドバイ」「恋は夢の中」「ナイトロジー」は、もともと弾き語りで一人で歌っていた曲をバンドアレンジにしたんです。前半の曲は、ライヴ活動を終えて制作期間に入ってから作った曲が多いですね。